「職員紹介制度」や「入職祝い金」の社会保険上の取扱いについて

 労働保険の年度更新、算定基礎届や賞与支払届と社会保険の届出が続く時期になりました。

 それぞれ賃金や報酬の算定漏れには注意が必要ですが、その中でも特に「職員紹介制度」や「入職祝い金」といった制度を導入している企業は、これらを支払った際の届出漏れに注意しましょう。

 深刻な人手不足の中で、「職員紹介制度」や「入職祝い金」といった制度を導入して対応する企業が増えてきたように思います。一方でこれらの報酬が社会保険上の報酬に該当するのかしないのか、該当する場合は給与または賞与なのか曖昧な取り扱いもよく見られます。

 「職員紹介制度」の詳細は割愛しますが、職業安定法第40条によって、紹介した職員に対する報酬は労働の対償として賃金で支払わなければなりません。従って、社会保険上の報酬に該当します。
 賞与で処理しているケースが多いようですが、賃金規程の作り方や支払い方によっては、賞与でなく給与として取扱わなければならず、4月~6月に支払いがあれば算定基礎届の報酬の対象にしなければなりません。

 「入職祝い金」についても、この報酬が入職に伴う引っ越し費用等の実費弁償に対する報酬等でない場合は、原則社会保険上の報酬である賞与として扱わないといけません。

 これらの報酬を支払った際には、管轄の年金事務所に確認するなどして正しい処理をしましょう。