令和5年4月の労働・社会保険関係の法改正について

 本年4月に行われる法改正等について次の通りまとめてみました。該当の有無はあると思いますが、該当がある場合、しっかりと対応できるようご準備ください。

□月60時間超の時間外労働に対する「割増賃金率50%以上」の中小企業への適用開始
 法定休日の明確化や60時間超の割増率の明文化等、就業規則の改訂が必要な会社も。

□賃金デジタル払いの解禁
 賃金支払方法として資金移動業者の口座への資金移動による賃金支払が追加されました。

□男性労働者の育児休業等の取得状況の公表義務化
 常時雇用する労働者数が1,000人を超える事業主は、男性労働者の育児休業の取得状況を年1回公表することが義務づけられました。

□危険有害な作業を行う事業者が講ずる保護措置の対象を労働者以外の者に拡大
 労働安全衛生法で、危険有害な作業を行う労働者以外の一人親方や下請業者等にも労働者と同等の一定の保護措置が事業者に義務づけられました。

□新たな化学物質規制への転換
 労働安全衛生法で、従来の特化則による個別具体的な規制から、危険性・有害性が確認されたすべての物質に対して国が定めた管理基準の達成を求め、事業者による自律的な管理を促す規制に改められました。

□雇用保険料率の改定
 4月分の雇用保険料から料率が次の通り改定されます。

  ~R5.3 R5.4以降
労働者負担 5/1,000 6/1,000 +1/1,000
事業主負担 8.5/1,000 9.5/1,000 +1/1,000
合計 13.5/1,000 15.5/1,000 +2/1,000

※『一般の事業』の場合

□出産育児一時金の引上げ
 健康保険の被保険者及び被扶養者が出産した場合の出産育児一時金が50万円(現行42万円)へ改定されました。

□在職老齢年金の支給停止調整額の改定
 48万円(現行47万円)へ改定されました。これにより在職老齢年金の受給額が増額になる方も。