令和3年4月の法改正について
〇 パート・有期法の中小企業への適用開始
正社員とパートタイム・有期労働者との間の不合理な待遇格差の禁止等について定めた
パート・有期法が4月から中小企業にも適用されます。 (いわゆる同一労働同一賃金)
1.改正のポイント
・不合理な待遇差の禁止(均等待遇と均衡待遇)
・労働者に対する待遇に関する説明義務の強化
・裁判外紛争解決手続き(行政ADR)の整備
2.均衡待遇における不合理性の検討
正社員と非正規社員の給与、賞与等の賃金、教育訓練、福利厚生施設、休憩、休日、休暇
等の待遇について待遇差がある場合、その性質・目的を踏まえ
① 職務の内容
② 職務の内容・配置の変更範囲
③ その他の事情(職務の成果、能力、経験、労使交渉の経緯など)
を考慮し、その差が不合理か、否かを個別に判断する必要があります。
まずは待遇差が不合理でないことを具体的に説明できるか否か、待遇ごとにチェックして
みましょう。もし説明できなければ、何らかの改善が必要な可能性も。
3.説明義務の強化への対応
非正規労働者からの求めに応じ待遇差の有無、その基準等について合理的な説明をする
必要もありますので、早めの検討が必要です。
〇 高年齢者雇用安定法の改正
高年齢者雇用安定法が改正され、70歳までの就業機会の確保(高年齢者就業確保措置)が
努力義務になります。
・高年齢者就業確保措置の選択肢
雇用 |
① 70歳までの定年引上げ ② 定年制の廃止 ③ 70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入 |
非雇用 |
④ 70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入 ⑤ 70歳まで継続的に社会貢献事業(有償)に従事できる制度の導入 |
・いずれの措置を講ずるかについては、労使間で十分に協議を行い、高年齢者のニーズに応じた
措置を講じることが望ましいです。
・努力義務なので対象者を限定することも可能ですが、具体的な基準を設けるこが必要です。
あわせて過半数労働者等の同意等が望ましいです。
・④⑤の創業支援等措置は実施計画作成・過半数労働者等の同意・労働者への周知が必要です。