9月・10月に向けて今やっておくべきこと

本年10月の法改正や9月・10月に対応しておきたい事柄についてまとめてみました。

1.社会保険料の金額変更の確認
 算定基礎届による社会保険料の変更は、9月分の保険料からとなります。当月に控除されている会社は9月支給の給与から、翌月に控除されている会社については10月支給の給与から新たな保険料が適用されます。我が社はいつから変更になるのか、変更の金額はどうか等今一度ご確認ください。

2.雇用保険料率の変更
 10月分の給与から雇用保険料率の労働者負担分が0.2%引上げになります。引上げ後の率は次表の通りです。翌月払いの会社については11月から変更の会社もありますので確認が必要です。またソフトを使って給与計算しているところはシステムの対応が必要なところもありますので早めの確認が必要です。

事業の種類 現在(9月分まで) 改定後(10月分以降)
一般の事業 0.3% 0.5%
農林水産、清酒製造の事業 0.4% 0.6%
建設の事業 0.4% 0.6%

 ※一般の事業で給与30万円の方で月600円のアップになります。

3.育児・介護休業規程の改定
 10月1日から育児介護休業法改正により、いわゆる「産後パパ育休」が導入されること、及び育児休業の分割取得が可能になります。これに伴い、各社の「育児・介護休業規程」の改定が必要になります。今回の改定は変更箇所も多いことから内容把握と併せ早めの対応が必要です。

4.最低賃金引上げへの対応
 現在の鹿児島県の最低賃金は時間当たり821円ですが、本年10月初旬以降は853円となり32円と大幅のアップとなります。時給の方の給与はもちろん、月給の方の時給相当額がこれを下まわることは許されません。再度従業員の方の給与をチェックし早めに対応しましょう。  特に社会保険の適用拡大の対象事業所については、引上げにより88千円のラインを超える場合等も予想されますので、ラインぎりぎりの人は特に確認および対応が必要といえます。

5. 社会保険の適用拡大への対応
 10月1日から社会保険の適用拡大の対象となる常時100人超の被保険者がいる事業所については、9月以降個社別に案内がくると思います。短時間労働者のうち加入しなければならない人、加入できない人等、従業員の方の今後の働き方等を含め個別に意向を確認しながら進めていくことが必要と思われます。

6.健康保険法改定
 健康保険料の改定にともない10月1日から育児休業等期間中における社会保険料の免除要件が次表の通り変更になります。

保険料 現在(令和4年9月まで) 今回(令和4年10月以降)
毎月 「育児休業等を始めた日」と「育児休業等を終えた日の翌日」が同月のときは、保険料の免除を受けることは出来ない 「育児休業等を始めた日」と「育児休業等を終えた日の翌日」が同月であっても、日数が14日以上あれば保険料の免除を受けることができる。
賞与時 育児休業等期間に月末が含まれる月に支給された賞与にかかる保険料は免除対象 1ヶ月超の育児休業等を取得したときに限り、育児休業等期間に月末が含まれる月に支給される賞与にかかる保険料が免除対象